「魔の2歳児」という言葉があるほど、保護者・保育者たちに恐れられているイヤイヤ期。何をしてもイヤイヤ・・何を提案してもイヤイヤ・・そんな子どもの姿やどうにもならない状態に、大人もイヤになってしまうこともありますよね。

今回はそんなイヤイヤ期についてまとめました。2歳前後のお子さんと関わっている方、関わる予定の方はぜひ参考にしてみてください。

目次:

1.イヤイヤの理由は?

2.イヤイヤ期の時には、どのような接し方や対応をすると良い?

1.イヤイヤの理由は?

では、子どもはなぜイヤイヤと言うのでしょうか?

これには、2歳という発達段階特有の理由があります。
まず、こちらの発達指標(目安)をご覧ください。
これは、0歳7ヶ月〜3歳(18ヶ月)ごろまでの発達の目安をまとめたものです。
この表を見ると、13ヶ月(1歳を過ぎた頃)から、18ヶ月(3歳頃)にかけて
・一人で歩く
・一人で座る
・意味のある言葉を言う
・指示を聞ける
・欲しいものを身振りで伝える
といった自立的な行動が少しずつできるようになっていることがわかります。
2歳は、ちょうどこの自立過程の間の時期であるため『本当に自分がしたいことを、ぼんやりと考えてはいるが、言語化できない』という場合が多くあります。
そのため、自分の考えとは違う様々な事柄について『それは自分のやりたいことや本心とは違う。』という意味で『イヤ!』という言葉を使ってしまいます。
しかし、
『じゃあどうしたいのか』『これではどうか?』と問われても、それに答える言語力や思考力はまだ身に付いていません。大人の提案と自分がしたいことがピタリとはまれば、それで納得するかもしれませんが、なかなかそうもいかない所が悩みどころであると言えるでしょう。
また、発達的な理由の他に、子どもが『イヤと言ったり、騒いだりすることで、周りの注目を自分に集めることができる。自分の要求もまかりとおせる。』と誤学習している場合もあります。
こうした誤学習が引き起こしている行動に対して過剰に反応してしまうと、子どもの誤学習はより一層強まってしまいます。
そのため、大人は子どものイヤイヤに対して『このイヤイヤは、言葉にできないもどかしさからくるものなのか?』それとも『周りの注目を集められると思っているのか?』ということを見極め、対応していくことが大切になります。

2.イヤイヤ期の時には、どのような接し方や対応をすると良い?

では、イヤイヤ期の子供にはどのような接し方や対応をすると良いのでしょうか?
発達心理士の遠藤利彦氏は、イヤイヤ期を次のように説明しています。
 
「これ違うな、これ違うな、ということでイヤイヤ、とずっと言い続けるわけです。だけど、そういうことを繰り返しているうちに、あ、自分が好きなのはこういうことなんだな、ということがちょっとずつわかり始めて、自分がしたいことはこういうことなんだな、と、自分を探していく、自分のしたいことを探していく、言ってみれば自分探しのような時期と考えるとわかりやすいかな、思いますね」
つまりイヤイヤ期は、自分を構成していくための大切な時期であり、イヤイヤと妥協、納得等を繰り返しながら『自分らしさ』を構築していったり『自己理解』を深めていったりする時期であると言えます。
 
そのため、そんなイヤイヤ期には
 
①自己決定した選択をなるべく尊重する
②自力で問題解決したり、答えを見出したりすることを見守る
ことが大切であると言えます。反対に、この時期に脅しや脅迫などで子どもを無理やり押さえ込んでしまうと、子どものアイデンティティの確立に大きな影響を与えてしまうでしょう。
また、遠藤氏は、子どもがイヤイヤな状態であることに対して
忙しいときに、お菓子や動画に頼るような対応が必要になることもあるでしょう。でも、子どもが“ネガティブな感情”を経験することも大事なことです。

子どもは、「イヤ」な状態のままでいいと思うはずはありません。子ども自身が考えて、自分から助けを求めたり、アクションを起こしたりします。子どもが自分の力で、イヤな状態を立て直そうと動くこと自体が、とても大事な経験になります。
としています。
『イヤイヤ期の子ども』の周りの大人は、安全や命に関わることのセーフティーネットは守りつつ、子どもの自己決定や思いをなるべく尊重しながら、自立支援をしていくことが大切であると言えるでしょう。

まとめ:

イヤイヤ期の子どもは、自己の確立を達成するために、凄まじいパワーを発散しています。

そんなイヤイヤ期の子どもを一人で相手にしていると、疲れてしまったり、煮詰まってしまったりすることも多いでしょう。
そのため、育児・子育ては一人で行おうとせず、実家や保育園、地域の機関などと積極的に連携しながら行っていくことを強くおすすめします。
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