発達障害は子供が生まれた時から持っている特性の一つです。せっかち・のんびり屋など、人間は誰しも特性を持っています。
その特性が発達障害と呼ばれるものだったとしても、その特性自体に問題があるわけではありません。
問題となるのは、あくまでも発達障害という特性に由来する二次障害であると言えるでしょう。
■目次:
1.発達障害の診断はどのようにおりるのか
2.発達障害の特徴は
3.発達障害を持つ子供への対応は
1.発達障害の診断はどのようにおりるのか
発達障害の検査は、地域の子育て支援センターや療育施設、小児科や精神保健科がある病院などで行われます。
検査方法は、予想される発達障害の種類によって異なりますが、例えばADHDの検査をするのならばADHD-RS(Rating Scale)、Connersなどの検査キットが使用されます。
これらの検査キットは質問要旨形式になっており、当てはまる項目の数によりADHDの診断が下されます。
2.発達障害の特徴は
発達障害には大きくASD(自閉症スペクトラム)ADHD(注意欠陥多動性障害)LD(学習障害)があります。
発達障害は下図のように重複していることもあり、このような場合には複数の発達障害を伴うこともあります。
ASDの特徴
ASDは自閉症スペクトラムと呼ばれる発達障害であり、対人関係や社会性の発達障害とされています。
ASDにはさまざまなタイプがありますが
・相手の気持ちを想定することが難しい
・特定の場所や行動・勝敗に強いこだわりがある
・柔軟な思考が難しい
などの特徴があることが多いです。
ADHDの特徴
ADHDは注意欠陥・多動性障害と呼ばれる発達障害であり、行動面の発達障害とされています。
ADHDには
・集中していられない
・直ぐに他のことに興味が向く
・じっとしていられない
・衝動性が強い
などの特徴があります。
LDの特徴
LDは学習障害と呼ばれる発達障害です。
LDは知的障害を伴っているわけではないのですが、書くことや読むこと、計算することなどの特定のことができない、難しいといった特徴があります。
ハリウッドスターのトム・クルーズはディズレクシアと呼ばれる学習障害で、文字の読み書きがほとんどできません。
3.発達障害を持つ子供への対応は
前述の通り発達障害には障害ごとの特徴があります。そのため、発達障害を持つ子供に対しては、発達障害の特徴を理解した上で対応することが大切になります。
ASDの発達障害を持つ子供への対応例
・相手の気持ちを考えることが難しい子供に対しては「なぜ、その行動をするといけないのか」ということを言語や絵などを使って説明すると良い
・柔軟な思考が難しいASDの子供の場合には「事前に予想されることや流れなどを伝えておく」ことが有効になる
ADHDの発達障害を持つ子供への対応例
・一つのことに集中していられない子供に対しては、周りに物を置かない、掲示物を貼らないなどの配慮が有効になる
・じっとしていられない子供に対しては、退屈で覚醒レベルが下がってしまう教材や課題ではなく、興味・関心を持てる教材や題材を用意することが有効になる
LDの発達障害を持つ子供への対応例
・書く、読むことが難しい場合には無理して書ける、読めるようにするのではなく、声などの音声によるやりとりを重視するようにすることが有効になる
これらはあくまでも対応の一例です。実際に発達障害の子供と関わる際には、子供の特性を正しく見とった上で専門家や学校などと連携しながら、対応策を講じていくことをおすすめします。
■まとめ:
発達障害は子供の生まれ持った特性の一つです。
現在発達障害の完治は難しいとされていますが「発達障害が問題になるかどうかは周りの環境次第である」と言えるでしょう。
発達障害の子供が幸福に過ごせるためには、子供の成功体験を積み重ねながら、発達障害が障害ではなく、特性として扱われるよう、大人が環境設定することが大切になるでしょう。
■参考サイト:
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease07.html
NCNP病院(国立精神・神経医療研究センター)ADHD
https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/
LITALICO 発達障害とは
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