【小学生〜中学生の自尊心・自己肯定感】自信がない、不安、心配、怖い、寂しい、死にたいと思うのはなぜ?

小学校高学年〜中学生ごろにかけて、

・自分に自信がない

・自分なんて、どうせ

・不安だ

・心配だ

・根拠なく怖い

・寂しい

・消えたい

・死にたい

などと思うこと、すなわち『自分を高く評価する気持ちである自尊心が低下する』ことや『自分を肯定的に捉える自己肯定感が低下する』ことが増えてきます。このような傾向は全世界共通で、自尊心は小学校高学年から18歳ぐらいまで低下し続けてしまいます。また、男性に比べて女性の方が自尊心の低下が著しいという傾向もあります。(参考:Robins & Trzesniewski, 2005、都筑, 2005)

『今、小学生〜中学生』の方や『昔自分もそうだった』という方は、共感できる部分もあるのではないでしょうか。私もかつてはそう思っていたので、その気持ちがよく分かります。今回はそんな思春期の自尊心の低下についてまとめました。今悩んでいる方や悩んでいる人が近くにいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

目次:

1.自尊心が高い人はどんな人?

2.自尊心を高めるためには、どうすれば良い?

 

1.自尊心が高い人はどんな人?

では、自尊心が高い人とは、どのような人なのでしょうか?

中学生を対象に自尊心に関する研究を行ったところ、自尊心が高い人には、次のような特徴があることが分かりました。(参考:中学生の自尊心を低下させる要因についての研究批判的思考の発達との関連から―静岡大学教育学部研究報告 人文・社会・自然科学篇

・友人関係において信頼感がある

・友人関係において自律的な行動ができている(自分の意思で行動したり、話をしたりできている)

・論理的思考を自覚している(自分は状況を正しく分析し、問題解決する方法を考えたり、実践したりすることができると思っている)

・教師や親との関係性が良い

逆に『自分が相手からどう思われているか?』といった不安が強いほど自尊心が低いことも分かりました。

『良好な人間関係を築いている人』や『自分で考え、行動できている人』は自尊心が高い、ということができるようです。

 

2.自尊心を高めるためには、どうすれば良い?

では、自尊心を高めるためにはどうすれば良いのでしょうか?

前述の通り、自尊心が高い人は『良好な人間関係を築いている』という特徴や『自分で考え、行動している』という特徴があります。そのため、自分の周りの人間関係を良好にしたり、自分で考えて行動したりする経験を積んでいくと、自尊心を高めていくことができるでしょう。

どちらも抽象的なことなので『具体的にどうしたら良いのか?(^溢^;)』ということについて、以下で提案します。

 

★良好な人間関係を築くために

さまざまな人と関わったり、色々なコミュニティに所属したりする

小学校高学年〜中学生ごろの人間関係の特徴として

・特定の友達と特に仲が良くなっていく

・特定のグループに所属して友達関係を構築していく

というものがあります。また、高学年頃からは社会的排除の傾向が強くなる、すなわち『あの子は◯◯だから、無視しよう』といった行動も表出しやすくなります。こうした言葉を実際に言われたことがある、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。また、このような時に『自分も嫌われたくない』『話を合わせなきゃ、仲間外れにされてしまう』と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、そのような思考に陥ってしまうと、友達といるのに、常に不安、心配、怖い、という気持ちになり『ありのままの自分ではない、周りに合わせる自分でいなければいけない』という状態が続いてしまい、自尊心が低下してしまいます。

そのため、特定の友達や特定の関係性に依存しないようにするために、さまざまな人と関わったり、色々なコミュニティに所属したりすることが大切になります。

例えば、話したことがないクラスの子に話しかけてみる、他のクラスの人に話しかけてみる、部活に所属する、地域のイベントに参加するなどが考えられるでしょう。

もちろんチャレンジしたことが全て成功するとは限りません。ですが、特定の友達や特定の関係性以外にも、さまざまな人間関係を築いたり、コミュニティに所属したりすることができると『あの人も友達だし、大丈夫』や『あのグループと一緒に遊ぶこともできる』といった安心感を持つことができるでしょう。

 

※大人向け:環境を構築する立場にある教員や保護者などの大人は、子どもがさまざまなチャンネルに所属できるよう、配慮・支援することが大切になります。

★自分で考え、行動していくために

わからない言葉や知らないことをググる・調べる

『何をしても周りに否定されてしまう』『自分のやりたいことをやらせてもらえない』という思いが積もっていくと『どうせ自分なんて』や『何をやってもうまくいかない』という気持ちが強まってしまいます。

そうした気持ちを払拭し、自尊心を高めるためには『自分で考え行動し、成功体験を積むこと』が大切になります。しかし、自尊心が低い状態からいきなり高度な成功体験を積むことは難しいでしょう。また、いきなり高すぎる目標を立て、失敗してしまうと『やっぱり自分はダメなんだ』という思いを強めてしまうことにも繋がってしまいます。

そのため、階段を一段ずつ上がるように、まずは小さいことから始めて成功体験を積み、徐々に難しいことに挑戦していくことをお勧めします。

そうしたスモールステップの一番最初の段としておすすめなのが『わからない言葉や知らないことをググる・調べる』ということです。これは辞書やスマホ、パソコンなどがあれば直ぐにできるものですが、『わからなかったことを調べたことで、わかるようになった』という成功体験に繋げることができるものです。

初めは1日に1つ、2日目は2つ・・など徐々に調べる数を増やしていったり、少しずつハードルを高くしたりしていくことで、より高度な成功体験を積み重ねていくことができるでしょう。また調べた内容をノートにまとめることで、自分が学習して積み重ねた知識を視覚的に認識することもできるようになるでしょう。

この他にも『新たな習い事に挑戦してみる』『1日1ページ予習をしてみる』『ランニングを始めて、少しずつ走る距離を伸ばしてみる』など、チャレンジできることは無限にあります。

そうしたチャレンジの始めの一歩として、まずは手軽に始められる『わからない言葉や知らないことをググる・調べる』ということをおすすめします。

 

※大人向け:『1.自尊心が高い人はどんな人?』で紹介した因子の中では、論理的思考への自覚が最も自尊心に関わるとされています。そのため、先生や親など周りの大人は、学習(授業)や生活の中で、子どもが自分で決め、判断・行動したことを尊重したり、論理的思考を養える機会を積極的につくったりしていくことが大切になるでしょう。

 

まとめ:

小学校高学年〜中学生ごろは、さまざまな不安や悩みを感じる時期です。そうした悩みを自分一人で抱えていると、どうしても煮詰まってしまうことがあります。そのため、悩んでいる時や不安な時には、その悩みや不安を誰かに話すと良いでしょう。

学校にはスクールカウンセラーという不安や悩みを聞いてくれる専門の人もいます。 自分が納得するまで、周りの人に話を聞いてもらったり、話をしたりすると、気持ちが落ち着いてきたり、問題解決に近づいていったりするかもしれません。
また、当サイトも、悩みを持っている人の力に少しでもなれればという思いのもと運営しているので、もしお悩みのことなどがありましたら、HPトップ画面上部の『お問い合わせ欄』よりお気軽にご連絡ください。
※よろしければ、こちらの記事も参考にしてみてください。

友達が離れていく、いなくなることが不安で怖い・・そんな時はどうすれば良い?

 

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参考:

中学生の自尊心を低下させる要因についての研究批判的思考の発達との関連から―静岡大学教育学部研究報告 人文・社会・自然科学篇

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