思春期の子どもに親はどう接すれば良い?思春期はいつから始まる?

思春期の子どもをもつ親の悩みは尽きません。『子どもが反抗的になった、子どもが話をしてくれなくなった、子どもが今までしなかったことをするようになった』など、思春期前までとは違った子どもの態度や行動に、困惑される方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな『思春期』についてまとめました。子育て中の方や思春期の子育てに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

目次:

1.思春期はいつから?

2.思春期の子どもを育てる親は、ストレスを感じている?

3.思春期の子どもには、どう接すれば良い?

 

1.思春期はいつから?

思春期は、小学校高学年くらいから高校生くらいまでの発達時期を表す言葉です。年齢で言うと、12歳前後から18歳前後くらいまでになります。

思春期になると、友達付き合いを今まで以上に大切にするようになり、親元から離れようとすることが多くなります。保護者が話しかけても素っ気ない態度を取ったり、反抗定期な言葉を使ったりすることも増えてきます。

 

2.思春期の子どもを育てる親は、ストレスを感じている?

内閣府は、中学2年生の子どもとその保護者を対象に実施した『子どもの生活状況調査の分析』の報告書において『保護者の心理的な状態』について、次のように報告しています。

「保護者の心理的な状態」に関して、調査では「K6」と呼ばれる指標を把握するための以下の6つの項目を設定した。

次の a)~f)の質問について、この1か月間のあなたの気持ちはどのようでしたか。

a.神経過敏に感じた

b.絶望的だと感じた

c.そわそわ、落ち着かなく感じた

d.気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じた

e.何をするのも面倒だと感じた

f.自分は価値のない人間だと感じた
この調査項目の結果を足し合わせて、K6のスコアを算出した(0~24点)。「うつ・不安障害相当」とされている「13点以上」21の割合は9.2%であった。

等価世帯収入の水準別にみると、K6のスコアが「13点以上」の割合は、「中央値以上」の世帯では5.4%、「中央値の2分の1以上中央値未満」の世帯では10.4%、「中央値の2分の1未満」の世帯では22.4%となって いる。

世帯の状況別に見ると、K6のスコアが「13点以上」の割合は、「ふたり親世帯」では7.9%、「ひとり親世帯」全体では18.1%、「母子世帯」のみでは19.1%となっている。

世帯収入や世帯の状況により数値は異なりますが、中学2年生の子どもをもつ保護者のうち、大体10%程度が『うつ・不安障害相当』のストレスを抱えているという結果になりました。

この結果から、中学2年生という『思春期真っ只中の子どもを育てる保護者』には『相当な負担がかかっている』場合もあると言えるでしょう。

 

3.思春期の子どもには、どう接すれば良い?

思春期は『様々なことをやりたい、やってみたい』という欲求が高まるのに対し、制御する力が十分に育っていないため、欲求不満を感じたり、大きな失敗を起こしたりしてしまう時期です。

またこの時期は、脳の成長に伴い、脳内のいろいろな領域の均衡が不安定になる時期でもあります。こうした脳内のアンバランスさが、感情の不安定さにもつながるとされています。

そのため、思春期の子どもに接する上で大切なことは『子どもの脳内は、今アンバランスな状態になっている』ということを理解した上で『自己決定を尊重したり、子どもの体験を支えたりしていくこと』であると言えます。

命に関わる失敗や大きな危険につながりそうな時には、先回りすることも必要かもしれません。ですが、基本的には子ども自身の考えや決定を尊重することが、思春期の親にとっては大切になると言えるでしょう。

 

まとめ:

思春期は、親にとっても子どもにとっても試練の時期であると言えます。

親からすると『なぜこんなことをするのか、なぜ言うことを聞かないのか』とイライラしたり疲れたりすることも多いかもしれません。

しかし、思春期は子どもの成長にとって、とても大切な時期です。

親は子どもの様子や行動を見守りつつも、干渉しすぎず、可能な限り子どもの自己決定や自主性を尊重することが大切になるでしょう。

 

参考:

関東中央病院 反抗期について

https://www.kanto-ctr-hsp.com/story_of_illness/story_of_illness-409/

内閣府 令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12772297/www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/chousa/r03/pdf-index.html

子どもの脳の成長段階で『そのとき、いちばん大切なこと』奥山力

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