最近自分の子供が言うことを聞かないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
子供が「言うことを聞かない」のには、必ず理由があります。
言うことを聞かないことにメリットを感じているのか、それとも、自分でやりたい気持ちが強いのか、など「言うことを聞かない原因」に応じた対応をすることで、子供とうまく関わっていくことができるようになるでしょう。
■目次:
1.反抗は2歳ごろから始まる?
2.子供が言うことを聞かない原因と対処法
■1.反抗は2歳ごろから始まる?
子供が赤ちゃんの頃は、赤ちゃんの身の回りのお世話を親が全てやってあげなければならなかったと思います。
泣いてしまった時の対応やお世話は大変でも「言うことを聞かない」というわけではなかったのではないでしょうか。
しかし、子供の成長に伴う変化はとても早く、2歳ごろには子供の運動機能や社会性の機能は大幅に向上し、「自分でやりたい、自分で動きたい」という気持ちが 強くなり、言うことを聞かないことが増えてきます。
これがいわゆる第一次反抗期です。 何をするにも「自分でやりたい」と言って言うことを聞かないのに、うまくできないことも多い2歳児に振り回され、疲れてしまうという親も多いのではないでしょうか。
事実「母親のメンタルヘルスおよび、保健指導の必要な時期」の調査では、3か月〜3歳までの子供を持つ母親の中で、うつ状態出現率が最も高かったのは、2歳の子供を持つ親でした。
子供の社会性や自立性の発達にとって反抗期は大切な時期ですが、言うことを聞かない子供に振り回され、親が疲れてしまわないよう、注意が必要になるでしょう。
■2.子供が言うことを聞かない原因と対処法
前述のように、子供が言うことを聞かない原因として、発達が関係していることがあります。
発達は体内や脳内のホルモン分泌や機能の変化に伴うものなので、外部からのコントロールは基本的にできません。 また、強引にその発達を阻害しようとすると、後々の機能に影響が出てしまうこともあります。
そのため、このような場合には ・親だけに負担がかからないよう、保育園や地域などを活用し複数人で子供と関わる ・時間に余裕を持って行動し、予想される事態がある場合には事前に子供に伝えておく などして、子供を否定することなく、親にもなるべく負担がかからないようにすると良いでしょう。
また、反抗期の時期はどうしても注意や指示することが多くなってしまうと思うので、お手伝いなどの望ましい行動をしてくれた時などには「ありがとう!」と伝えるなどして、望ましい行動への注目を強めていくと良いでしょう。
発達以外で子供が言うことを聞かない場合、「学習」が関係している場合があります。ここでの学習とは、学校の勉強のことではなく、子供が行動を学習しているという意味です。
例えば「自販機にお金を入れ、ボタンを押すと飲み物が出てくる」ということを私たちが認識していることも学習です。お金を入れることとボタンを押すことで飲み物が出てくるという因果関係を学習しているため、これらの行動を当たり前のようにできます。
このことと同じように、子供が「言うことを聞かないで反抗すれば、自分のわがままを貫ける」と学習していると、親や大人の言うことを聞かなくなってしまうことがあります。
このような場合には ・望ましい行動に強く注目する ・事前に約束をし、約束が守れた時にはそのことをしっかりと認める ・言うことを聞かない、約束を守らないなどの望ましくない行動には注目しない、成功体験を与えない などの関わり方が大切になります。
例えば、「お手伝いをしてくれた時にありがとう!と伝える」ことを繰り返すと「子供はお手伝いをすると親が喜んでくれるという学習」を積み重ねます。
このように「望ましいと思う行動に注目」をしていくと、望ましい行動を増やしていくことができます。 このことを応用し、事前に予測できる行動を考え約束をしておき、その約束を守れた時に「約束を守ってくれて嬉しい!助かったよ!」などと伝えることができると、望ましい行動を増やし、言うことを聞かないなどの望ましくない行動の表出を事前に防ぐことができます。
反対に「言うことを聞かない、約束を守らない」などの望ましくない行動に対しては「注目しない、成功体験を与えない」ようにすることで、その行動は意味をなくしていきます。
例えば、先ほどの自動販売機の例で言うのならば「お金を入れ、ボタンを押しても飲み物が出てこない」のであれば、そもそもお金を入れなくなるでしょう。
このことを応用し、望ましくない行動には注目しない、成功体験を与えないようにすると望ましくない行動は無くなっていきます。 しかし、ここで気をつけてほしいことは、「起こるはずの効果が起こらなかった時には、一層強くその行動を試すことがある」ということです。
どういうことかと言うと、「自販機にお金を入れ、ボタンを押しても飲み物が出てこなかった場合、疑問を感じて、ボタンを連打する」という現象が起こるということです。
「お金を入れ、ボタンを押したら飲み物が出てくるはずだ」という認識が反映されないと、何度もその行動を試すことがあります。
しかし、ずっと自販機の前でボタンを押し続ける人はいません。そのため「言うことを聞かない・約束を守らない」といった望ましくない行動を消却させていくためには、時間をかけて、辛抱強く注目しない・成功体験を与えないことが大切になります。
■まとめ:
反抗期の子供や言うことを聞かない子供の対応は親だけでは手に余ることが多くあります。そのため、子育ては親だけで抱え込まず、さまざまな機関や地域、人と連携しながら行っていくことが大切になります。
■参考:
母親のメンタルヘルスおよび、保健指導の必要な時期https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/10/3/10_KJ00004046315/_pdf/-char/ja
科学と人間行動 – B.F. スキナー スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生- ウィリアム・T. オドノヒュー 初めての応用行動分析 日本語版- ポール・A. アルバート
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